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2026/09/30

首都高ETC専用化×値上げ×割引縮小——2026〜2031年「3つの変化」を乗り越える車両管理・コスト対策の実務ガイド

2026年から2031年にかけて、首都圏を中心に高速道路コストに影響する制度変化が立て続けに迫っています。2026年10月の首都高料金値上げ、ETC専用入口の急速な拡大、そして2030年代にかけての大口・多頻度割引の段階的縮小——これらは個別のニュースではなく、運送業・建設業・営業車両を多く抱える中小企業にとって「一体の経営課題」として対処すべき変化です。

それぞれの制度変化の内容と実務への影響を整理し、今から取り組める対策を具体的に示します。

目次

  1. 首都高2026年10月値上げ:普通車・中型車以上それぞれの負担増を把握する
  2. ETC専用入口134箇所時代:現金払い車両を残している事業者のリスク
  3. 大口・多頻度割引の段階縮小:2030年・2031年に備えた経営計画の組み直し
  4. 深夜割引見直し延期とのダブルインパクト:夜間運行スケジュールの現実的な見直し
  5. 今後の見通し:2028年・2031年を節目に高速コスト構造が変わる
  6. まとめ:今から着手すべき3つのアクション

1. 首都高2026年10月値上げ:普通車・中型車以上それぞれの負担増を把握する

首都高速は2026年10月1日から普通車の1kmあたり料金を約29.5円から約32.5円に引き上げ、上限料金も1,950円から2,130円に改定します。中型車以上は2027年6月に値上げが適用される予定です。

上限料金だけで比較すると普通車は月1回の長距離利用でも差が出始めますが、複数台・高頻度で首都高を利用する事業者にとっては、年間コストへの影響は無視できません。たとえば普通車10台がそれぞれ週5日、上限まで利用すると仮定すると、値上げ幅(180円/台・日)だけで年間試算は約46万円規模の増加になります。

自社の実際の利用実績と照らして「どの路線を、何台が、どの頻度で走っているか」を把握し直すことが、対策の第一歩です。ETC利用証明書や協同組合発行の利用明細を活用すれば、台別・路線別の集計は難しくありません。

2. ETC専用入口134箇所時代:現金払い車両を残している事業者のリスク

首都高は2026年3月末に90か所、2026年度中にさらに44か所を追加し、累計134か所のETC専用入口が運用される予定です。最終的に2028年春までに、本線料金所など一部を除くほぼすべての入口がETC専用になる計画が進んでいます。

2025年11月時点での首都高ETC利用率はすでに98.7%に達しており、残り1.3%の現金利用者が対象とはいえ、法人事業者の中には「古い社用車にはETC未搭載」「一部車両は現金払い運用」という実態が残っているケースも少なくありません。

2028年を「3年後の期限」として捉えれば余裕があるように見えますが、ETC車載器のセットアップ・車両登録・カード発行には一定のリードタイムがかかります。特に複数台を一度に整備しようとすると、取り付け工場の予約や協同組合への申請が集中する年度末・年度初めは混雑しやすい点に注意が必要です。

助成キャンペーンを活用するなら2026年度中の動き出しが重要

首都高では2026年度も「首都高ETC/ETC2.0車載器購入助成キャンペーン2026」を実施しており、7月8日から最大10,000円の助成を提供しています(受付期限:10月30日)。助成対象・申請要件の詳細は首都高速道路の公式発表を確認してください。複数台導入を予定している事業者ほど、1台あたりの助成金を積み上げる効果が大きくなります。

3. 大口・多頻度割引の段階縮小:2030年・2031年に備えた経営計画の組み直し

現行の大口・多頻度割引は「激変緩和措置」として当面5年間継続されますが、2030年7月〜2031年3月に割引率の縮小が始まり、2031年4月以降はさらに大幅な縮小が見込まれています。

現時点では「まだ5年ある」と感じるかもしれませんが、この制度変化が運送契約・下請け単価・顧客への料金設定に波及するまでの期間を考えると、2027〜2028年頃から具体的な対策を始める必要があります。特に以下の点を今から整理しておくことが重要です。

  • 現在の大口割引適用額を明確にする:月ごとのETCコーポレートカード利用明細から、割引前・割引後の金額を把握し、割引縮小後のコスト試算を行う
  • 運送契約・請負契約への反映タイミングを確認する:契約の更新サイクルに合わせて、高速料金コストの転嫁条件を明記することを荷主・発注者と協議する余地を作っておく
  • ルート見直しの選択肢を持つ:割引縮小後に高速利用頻度を下げられるルートがないか、運行管理担当者と定期的に検討する仕組みを入れておく

ETCコーポレートカードと協同組合型ETCカードの使い分けを再確認する

大口・多頻度割引の適用はETCコーポレートカードが前提です。一方、与信審査が通りにくい中小企業や個人事業主には、協同組合型ETCカードが現実的な選択肢になります。協同組合型は大口・多頻度割引の直接適用はありませんが、組合によっては独自の料金精算・管理サービスを提供しており、インボイス対応・経費処理の効率化という面では強みがあります。

割引縮小が進む2031年以降の環境では、「割引額の最大化」だけでなく「経費処理の効率性」「カード管理のコスト」を含めたトータルコストで比較することが、より重要になってきます。

4. 深夜割引見直し延期とのダブルインパクト:夜間運行スケジュールの現実的な見直し

首都高の料金値上げと大口割引縮小に加え、NEXCO高速の深夜割引制度の見直しも2026年度以降に再延期されています。現行の「0時〜4時の間に高速を利用すれば対象走行全体を30%割引」という仕組みは、新制度への移行が確定するまで継続されますが、いつ切り替わるかの時期は現時点では未定です。

新制度では、22時〜翌5時に実際に走行した分だけを後日還元する方式に変わります。現行制度下では0時を跨ぐ走行を意識したスケジュール調整が慣行化している運送業者も多いですが、新制度になると「走行時間帯の管理」「後日還元の確認・経費処理」という新たな実務が発生します。

値上げ・割引縮小・深夜割引見直しの3つが重なる時期は、運送業にとって高速道路コストが構造的に上昇する局面です。「現行制度が続く間に何を整備しておくか」という視点で、社内の運行管理・請求・経費処理のフローを今から棚卸ししておく価値があります。

5. 今後の見通し:2028年・2031年を節目に高速コスト構造が変わる

以上の動向を踏まえると、高速道路コストは「2028年のETC専用化完了」と「2031年の大口割引大幅縮小」という2つの節目に向けて、段階的に上昇していく構造が固まりつつあります。

まず事実ベースで確認できることを整理します。首都高の値上げは2026年10月に普通車、2027年6月に中型車以上と確定しており、大口割引の縮小スケジュール(2030年7月〜・2031年4月〜)も公式発表に基づいています。ETC専用入口の2028年春完成目標も首都高速道路が明示しています。

その上で傾向から考えられることとして、以下が挙げられます。

  • 維持管理コストの増大を「受益者負担の適正化」として転嫁する方針は、首都高だけでなくNEXCO各社でも共通しており、今後10年単位で高速料金は基調として上昇傾向が続く可能性が高そうです
  • ETC利用率が98.7%に達している現状を踏まえると、ETC専用化のペースがさらに加速する可能性があります。2028年という目標が前倒しになるシナリオも排除できません
  • 深夜割引の新制度(後日還元方式)への移行が実現した後は、システム連携や経費精算の実務負荷が一時的に増えると予想されます。ETC利用データの取り込みや自動仕訳に対応した経費管理ツールの整備を、移行前に進めておく事業者とそうでない事業者とで、実務コストに差が出る可能性があります

値上げ・割引縮小・ETC必須化のいずれも「急に始まる変化」ではなく、スケジュールが公表されています。そのぶん、早めに動き出した事業者ほど準備コストを分散でき、対応の選択肢も広がります。自社の利用実績の把握と、カード・車載器の整備状況の確認から、今すぐ取り掛かることをお勧めします。

6. まとめ:今から着手すべき3つのアクション

  1. 利用実績の可視化:ETC利用明細・利用証明書を活用して、台別・路線別の高速料金を集計し、値上げ・割引縮小後のコスト試算を行う
  2. ETC未搭載車両のリストアップと搭載計画の立案:2026年度の助成キャンペーン(受付10月30日まで)を活用しながら、2028年の専用化完了に向けた整備スケジュールを組む
  3. 運送契約・下請け単価の見直しタイミングを把握する:2030〜2031年の割引縮小幅を試算し、契約更新のタイミングに合わせて高速料金コストの転嫁条件を協議できるよう、根拠資料を準備しておく

自社の車両台数・利用路線・カード種別に合わせた高速コストのシミュレーションは、ETC協同組合比較ナビのETCカード比較・減額シミュレーションも活用してみてください。協同組合型とETCコーポレートカードの比較もまとめています。

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